メタボリック症候群の女性はPAD発症のリスクが増加

米国心臓協会・学術集会2008（AHA2008）
2008年11月8日〜12日 New Orleans U.S.A.

最新の学会レポートです。以下簡単にまとめてみます。

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メタボリック症候群(MetS)の女性は、末梢動脈疾患(PAD)発症リスクが増加していることが報告されました。Women's Health Studyに参加している女性を対象に行った前向きコホート研究の成果で、Brigham and Women's Hospital（米、ボストン）のAruna D Pradhan氏らが11月10日、ニューオーリンズで開催中の米国心臓協会・学術集会（AHA2008）で発表。

１）
対象は2万7111人の女性で、全員が45歳以上。また試験開始時に心血管疾患はなかったという。

２）
メタボリックを持つ女性（メタボリック群、2万191人）と持たない女性（非メタボリック群、6920人）を13.3年間（中央値）の追跡。症候性末梢動脈疾患は114例に認めた。

３）
試験開始時、参加者の25.5％がメタボリックだった。分析の結果、メタボリック群は、発症リスクが62％増加していた。これらの結果から演者らは、「メタボリックがある女性では、末梢動脈疾患発症のリスクが増加することが分かった」と結論した。

４）なおメタボリックの基準は、

「BMI：26.7以上」
「トリグリセリド：150mg/dL以上」
「HDL-C：50mg/ｄL以上」
「血圧：130/85mmHg以上」
「高血糖」

このうち、3つ以上が当てはまる場合とした。

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BMI（Body mass index）とは、身長の二乗に対する体重の比で体格を表す指数です。
計算方法　→　BMI＝体重kg／（身長m）2

トリグリセリドとは、ＴＧ：中性脂肪のことです。
（健康診断などの血液検査で数値はわかります）

HDL-Cとは、HDLコレステロール。いわゆる「善玉コレステロール」のことです。
（健康診断などの血液検査で数値はわかります）

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メタボリックシンドロームの基準、はかったことありますか？
結構、当てはまってしまう方いるのでは？？？

運動／栄養／休養のバランスを！



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末梢動脈疾患(PAD)とは？
全身の動脈の中でも主に手足に血液を届ける動脈を「末梢動脈」と言います。この末梢動脈に動脈硬化症が生じると、手足に血行不良が起こり、PADと呼ばれる病気になります。しびれや痛み、悪化すると潰瘍ができたり、ひどい場合には壊死したりすることもあります。末梢血管の病気の中で最も多いものです。冠動脈（心臓）疾患との合併率が非常に高いといわれています。